第95章 気持ちと記憶の整理の時間
それから暫くは、
私の元いた世界についての話をする。
ピクシスはいつもにも増して顔を綻ばせ、
目元の皺も如何にも楽しそうに緩んでいた。
「そろそろ帰らんと、
リヴァイに叱られそうだな。」
ピクシスの言葉を受け、
店内の時計に視線を送ると、
既に10時を回ったところだった。
「わ、そんなに話してたんですね。」
「何てことはない。
モブリットとは夜通し飲み明かしたぞ?」
「え、本当ですか?」
「ああ。彼は酒が強いなぁ。
相当飲ませたんだが、
全く酔ってはくれんかった。」
「……なんだかすごく
仲良くなってるじゃないですか。」
「何だ。ワシにヤキモチを妬いておるのか?」
「そ、そんなんじゃないです!」
くくく、と肩を震わせて笑うピクシスを横目に
立ち上がった。