第95章 気持ちと記憶の整理の時間
店を出て、基地の付近まで
ピクシスに送ってもらうと、
基地の入口近くに人影を発見する。
「さすがだな。相変わらず時間厳守じゃ。」
「……何の話ですか?」
「いや、こっちの話だ。」
人影に目を凝らすが、
遠い上にそれなりの暗闇に包まれているため、
それが誰かは分からず、
取り敢えず視線をピクシスに戻した。
「今日は楽しかった。また飲みに行こう。」
「はい。こちらこそ、お願いします。
次は私にご馳走させてくださいね。」
「まさか。美人とタダ酒なんて贅沢なこと、
ワシには似合わんじゃろう。
そんなことをしたらきっと罰が当たる。」
冗談めかした口調で笑うピクシスは
後ろ手で手を振りながら、去って行った。
それとほぼ同時に、人影が近付き、
その人物は直ぐに明らかになる。