第11章 確かめたい、確かめて、

「あの男に抱かれたのか？」

「だ、抱かれてない！」


すかさずエルヴィンの方に振り向き、否定したが
少しどもってしまい、
逆に怪しまれるような言い方になってしまう。

エルヴィンの表情は穏やかとは程遠く、
その顔を直視することが出来ず、思わず俯いた。



「……凛。来なさい。」

それだけ言ったエルヴィンに強引に腕を引かれ、
抵抗する余地もなく、
引きずられるように廊下を歩いた。