第11章 確かめたい、確かめて、
凛とエルヴィンは基地の建物に入り、
凛は自分の部屋に向かって歩き出す。
が、
「凛。
あの男にはどこまで許したんだ?」
というエルヴィンの
少し曇った声を聞き、足を止めた。
予期していなかった問いかけに対して、
すぐに返事をすることが出来ず、
エルヴィンに背を向けたまま口を噤む。
どこまで許した……?
何でエルヴィンは
そんなことを聞いて来るんだ……
さっきの三人のやりとりで、
特に不審に思う部分はなかったと思ったのに、
エルヴィンは一体どのタイミングで
何を察したんだろう。
考えを巡らせていた時、
エルヴィンの手が自分の肩に触れ、
小さく身体がビクついた。