第95章 気持ちと記憶の整理の時間
「そう言えば、
もう一つ気になったことがあった。」
「何ですか?」
「君の曾祖父がこの世界に来たのは、
45年ほど前だ。
だが、そうなると、
かなり時間軸がずれているとは思わんか?」
「あ。それ、私も思っていました。
曾祖父はこっちの世界の未来へ
タイムスリップして来たことになるのかな、
と。」
「君がこっちに来た時は、
時間のズレはなかったのか?」
「はい。目立ったズレはなかったかと……」
この世界に来た時のことを思い出してみる。
エルヴィンとリヴァイが、私のいた世界に
タイムスリップして来たのは7月。
滞在期間は一か月ほどだった。
そして、私がこの世界に来たのは、
こっちの世界で8月の頃だ。
エルヴィンとリヴァイが1か月の時を経て、
こっちの世界に戻って来たことは確かだから、
やはり、私がここに来た時の時間のズレはない。
「一体どういうことじゃろうな……」
「難しいですね……
時と場合による、ということですかね。」
「君の曾祖父が、
元の世界に戻った時はどうだったんだ?」
「……祖父から話を聞いた感じだと、
特に違和感は覚えませんでしたが……
もしかしたら、帰って来た時にも
多少のズレが生じていた可能性はありますよね。」
「これだけの情報じゃ、
何故ズレたのかは分かりそうにないな。」
「そうですね……」