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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第95章 気持ちと記憶の整理の時間



「これはただの第三者の意見だ。
流して聞いてくれていい。」

ピクシスはウイスキーを飲み終えたグラスを
店主に掲げて見せ、
おかわりを頼んだ後、再び話し始める。



「君と一番付き合いが長いのは、
エルヴィンとリヴァイだろう。
そして、最初に二人の間で迷い始め、
後からモブリットや訓練兵が参入した。
そうだろう?」


「……はい。」


「最初から自分に寄り添ってくれていた
二人のうちどちらかを選ぶべきだと、
それが当たり前だと思い込んでいる。
なんてことはないか?」


「……」



「ワシは君らの色恋沙汰については部外者じゃ。
だから安直なことを勝手に言わせてもらうが、
君が自分の感情を制御する必要はない。
それに、制御しようとしても、きっとその粗は、
すぐに簡単に見抜かれる。」

特にエルヴィンなんかは敏感だろう。

そう付け加えたピクシスは
ニヤリと笑って見せる。



「まぁ、これはワシの勝手な考えだからのう。
君がエルヴィンやリヴァイについて
話しているところを見れば、
さっきと同じように、
そっちに惹かれているんじゃないかと
思うかもしれんし。」


「……ありがとうございます。
なんだか……少し目が覚めた感じがしました。」


「久し振りに他人の恋愛なんぞに
首を突っ込みたくなってしまってのう。
余計な事ばかり言ってすまんな。」


「いえ、ありがたいです……
もう、ずっと一人で悩んでばかりだったので……
モブリットのことも、もう少し冷静になって、
きちんと向き合ってから考えます。」


「そうしてくれ。ワシは彼と一度飲んでから、
だいぶ彼の肩を
持ちたくなってしまっておるからな。」


ピクシスは今しがたテーブルに載せられた
ウイスキーのグラスをすぐ手に取り、
笑みを溢したままで口に含んだ。

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