第95章 気持ちと記憶の整理の時間
「まず……彼はとにかく優しいです。
自分のことより、人を思いやる心があります。
勿論それだけではなく、相手が明らかに間違ったことをしている時は、相応に叱りもしますし、諭すのも上手いです。」
「ほう……」
「それに仕事も真面目で熱心で、副官に留めておくには勿体ないような気もしますね。
……それでも、家庭を持てば、きっと家族を大切に出来ます。
仕事がどんなに忙しくても、無理にでも時間を作って、家族との時間を大事にすると。」
「凛は随分いい顔をして
モブリットのことを語るのう。」
「え、」
「凛は、モブリットに惹かれておるのか?」
呆気にとられた声に被せられた言葉は、
身体を徐々に熱くさせた。
「すみません……
まだ、自分でもよく分からなくて。」
「それは、最初に出会ったのが
エルヴィンやリヴァイだったからか?」
「……どういう意味ですか?」