第10章 どうしても気になる女
……ホッとした……?
なんでこいつが団長の女じゃないと
思ったからってホッとするんだよ……
自分の感情にツッコミを入れつつ、
団長に視線を向け
「……そろそろ俺は失礼します。」
と、敬礼をして見せた。
「そうか。気を付けて帰りなさい。」
「ジャン、ありがとね。」
団長と女に後姿を見送られながら、
足早に基地を後にする。
……今日は予想だにしないことが
起きてばかりの一日だった……
明日も休暇だが、さすがに明日は
ナンパに行く気は起きない。
性欲はしばらく湧きそうにないし、
当分女は欲しくならないだろう。
そう思うようになったのは
完全にあの女のせいだが、
たまには兵舎で仲間とゆっくり過ごすのも
いいかも知れない。
そんなことを考えると、
少し身体が軽くなった気がした。