第93章 熱の意味
「……凛、ごめん。」
「……いいよ。
元々限界近かったの、分かってたし」
「いや、そっちもだけど、……ごめん。」
その“ごめん”の意味を理解すると、
ふと自分の暴言の数々も甦って来た。
「……私の方こそごめんなさい……」
モブリットが優しさで、
私を気遣ってくれているのは
分かっていたのに。
こんな強硬手段に出て、
あたかも脅して強制的に行為に至ったことを
深く反省する。
……モブリットの優しさは
いつも嬉しいし、暖かい。
それに甘えていた時だってたくさんある。
それなのに今回は
流すことが絶対出来ないと思った。
本当の欲求をモブリットの口から聞きたくて、
それを満たしたくて、仕方なくなった。
「凛、俺のこと好き?」
「……え、好きだよ?」
「いや、その意味の好きじゃなく。」
そう問われた瞬間、
すぐに顔に熱が上がって来た。