第91章 正直に、正直に、
凛の身体を抱き寄せ、生肌を堪能する。
聞きたかった言葉が聞けて、
完全に満足していた。
自分でも意地悪だと思ったけど、
それでも凛からの言葉が聞きたかった。
それくらい、
凛に嫉妬して、束縛してもらいたい、
なんてことを思っていた。
「良かったよ。
俺に対してもそんな感情が湧いてくれて。」
「……湧かない筈がないでしょ……」
「どうして?」
もっと凛の言葉を聞きたくなって、
質問を繰り返しながら顔を覗き込む。
「……今日だって、
会えてこんなに嬉しかったのに。
ハンジがズルいと思うくらい、
モブリットに会いたかったのに。」
予想外に色々な言葉が返って来て、
不意に耳元が熱くなってくる。
さっきまで
頑なに口を閉ざそうとしていた凛は、
もういなくなっていた。
「……急にどうしたの。」
「もういい。
モブリットが意地悪な質問ばっかり
繰り返して来るから、全部言ってやる。」
突然吹っ切れたように、凛は話し出した。