第91章 正直に、正直に、
モブリットの胸の中で頭を下げながら、
深いため息が漏れ出す。
……この間から、
エルヴィンにも、モブリットにも、
束縛したがっていることを
アピールするような態度を見せすぎだ。
さっきもかなり自然に言ってしまっていたが、
口を突いて出たからと言って、
許される訳ではない。
自分の失言が多すぎる。
「本当に忘れていいの?」
優しいままの声が頭の上から降って来て、
少しだけ視線を上げた。
「俺が、色んな女の子に対して、
凛と同じように接しても、
凛は何とも思わない?」
追い討ちをかけるような質問をされ、
何と答えても墓穴を掘りそうな気がして、
取り敢えず再び顔を埋める。
「俺が他の女の子を、
凛と同じように抱いても、
同じようにしつこく告白しても、
凛は何とも感じない?」
「……モブリットの意地悪。」
ぽつりと呟くと、
モブリットの小さく笑う声が耳に届いた。
「……やきもち妬くことなんて、
モブリットだって分かってるくせに……」
「分かってても言わせたいんだよ。」
同じ毛布に入り込んで来ようとする
モブリットを受け入れると、
生肌にモブリットの熱い体温が伝わった。