第91章 正直に、正直に、
凛の横に寝転び、ゆっくり髪を撫でる。
聞きたいことはまだあった。
「……凛は、俺に人気が出るのは嫌なの?」
そう問いかけた途端、
凛はハッとしたような表情をした後、
目を瞑って何かを考えているようだった。
「……それ、難しい質問だよね。」
「そう?」
「モブリットが人気なのは嬉しいけど……
……でも、モブリットの色んな顔は、
私だけが知っていたいとも思う。」
そう言い切ったところで、
完全に“言ってしまった!”という、
気まずい表情を浮かべた凛を、
そっと抱きしめた。
「……すごい束縛願望があるね、凛は。」
「ご、ごめん……ほんとそれだ……」
「大丈夫。そのつもりだから。」
「いや、……それはダメだよね。
さっきの言葉は忘れて下さい……」
深々と頭を下げることで、
凛は自分の胸元に埋まって来た。