第10章 どうしても気になる女
一体あの二人はどういう関係なんだ……?
俺の想像通り、
やっぱりあの女は団長の
「そこの君。もう少し近くに来なさい。」
太い声で心の声を遮られ、
再び身体が小さく跳ね上がった後、
ゆっくり団長と女の側に歩み寄る。
近くで見るエルヴィン団長からは、
“人並み”ではない特別な空気を感じた。
圧倒的な凄みがあり、
どこか神秘的なオーラすら感じられる。
これが団長の威厳か……
調査兵団が壁外調査へ行く前、
遠目から少しだけ
姿を見たことがあるが、近くで見ると、
また違った雰囲気を感じた。
それにしても、その横で
ニコニコと頬を緩めていられるこの女は
一体どういう神経をしているんだ……
強張った身体のまま、女を盗み見た。