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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第83章 落ち着かない日



ソファーから駆け寄ってきたのは
エルヴィンではなく、
さっきの会議に出ていた、重役の一人だった。

名前までは覚えていないが、
如何にも憲兵団にいそうな、
清潔感のあるおじさん、
くらいに思っていた人物だ。




ドアノブを握ったままだった手を掴まれ、
床に押し倒される。


これがどういう状況か分からない程
バカではない。

が、下手に抵抗するのも危ない気がした。





「……何のつもりですか?」


「もう分かっているだろう?」


少し荒い息の中、
問い返されたその言葉だけで、
これから行われることの予測は容易につく。



「こんなことをして
いいと思ってるんですか?」


問いを重ねるが、返事はなく、
替わりにワイシャツを
勢いよく捲り上げられ、小さく悲鳴が漏れた。



「おお、いい声だね。」


「ちょ…、本当にいい加減にしてもらって」
「君がどうやっても
調査兵団を辞めないことは分かっていたよ。」


不気味な笑みを溢し、
話し始めた男を睨み付ける。


男は睨まれることすら
快感を覚えているような、
薄気味悪い笑顔のまま話を続けた。

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