第83章 落ち着かない日
着いた先の応接室は、ヤケに薄暗い。
他の部屋と違って、派手さもない。
他兵団の団長を招くような部屋には
思えないが、調査兵団だしいいか、
という思いの表れなのだろうか。
「あちらにおられますので、」
少し離れた場所にある応接室のソファーを示し、それだけ言って足早に部屋を出て行った兵士の後姿を見送った後、僅かな違和感を覚え、ソファーに目を凝らした。
……いや、違う。
そう思ったと同時にドアノブに手を掛けるが、
「待て!!」
と言う大きな声に驚き、一瞬動きを止める。
だが、その一瞬が命取りになった。