第81章 ●気持ちいい事だけ
「……よく考えたら、初めて見るんだけど、」
モブリットの半裸を目の当たりにして、
思わず視線を逸らしてしまう。
自分で脱がせたくせに、
いざ目の前にすると、
この方が恥ずかしくも思えてきた。
「ああ、そうかもね。」
モブリットの指先が
腰から背中を滑らかに進んでいき、
思わず身体は小さく跳ねる。
「大した身体じゃないけど、」
「大した身体だよ?!」
反射的に声を上げて否定してしまい、
またモブリットの笑い声が降って来た。
「……ごめん。何で私がムキになるのか……」
「嬉しいよ。ありがとう。」
額にキスを落とされた後、
そっとモブリットの身体に視線を向ける。
これが大した身体じゃなければ、
私が今まで前の世界で関係をもった殆どの男性が
だらしのない身体と言えるだろう。