第77章 ●償い
沈黙を守ったままで、
再び凛の鎖骨に舌先を滑らす。
小さく震えた身体を自分の方に寄せると、
すぐにもっと触れたくなり、
ボタンを外す時間すらもどかしく感じ、
徐にシャツの中へ手を入れ込んだ。
何故自分はこんなにも気を急いているのか。
焦る必要はないのに、
早く先に進みたくて堪らなくなる。
最近女を抱いていなかったせいだ。
そう思って自分を納得させようにも、
もっと長く女と関係を
持っていなかった時期もあったが、
こんな風に急くことはなかったように思う。
舌先を鎖骨から耳元まで移動させ、
指先は腰から胸にかけて、
ゆっくり這い進む。
滑りが良く柔らかい肌の感触は、
絶えずこっちの下半身の膨らみを助長してくる。
「…っ…んっ、はぁ……」
漏れ出した凛の吐息が鼓膜を揺らし、
すぐにまた、抑制できそうにない情動が、
胸の膨らみに手を伸ばした。