第73章 心配しないで、の伝え方
「……エルヴィン。
確かに毎回死にかけるけど、」
「死にかけるのか?」
「あ、いや、……うん。
まぁ、死ぬかと思うくらい
意識を手放しそうになる。」
驚嘆の声を出し、
やっと目が合ったエルヴィンの上に跨ったまま、
話しを続ける。
「……それでも、
もうこの快感を手放すことなんて出来ない。
それくらいクセになってる……」
「それは、俺との情事を
申し分なく楽しめているということか?」
「……はい。」
「正確に、君の言葉では言ってくれないのか?」
いつの間にか俯いていた顔を覗き込まれ、
視線を合わせるように顎元を掴まれる。
すぐに碧い瞳に捕らえられ、
逸らすことも出来ないまま、
ゆっくり言葉を紡ぐことを選んだ。