第72章 ●好きなことを好きなだけ
「んっ、ぁ……、はぁ……」
凛の色っぽい声が、
心地よく身体を刺激する。
濃厚な口付けをした後の
凛の反応はいつも、
例えようがないくらい官能的なものだった。
「……ダメだ、すぐ酔いそう。」
「何に?」
そう問うと、凛の頬はすぐに緩む。
「……エルヴィンに。」
もうかなり酔ってるけどね。
と、付け加える凛に、またすぐ唇を重ねる。
こんな甘い返答をしてくれるのに恋人同士ではないなんて、恋人の定義は一体何なんだと、他人に愛を説いている牧師を問い詰めたくなる気分だ。
もう恋人だということにして、
ずっと俺の手元に留めておきたい。
俺だけが、彼女を独占したい。
身体を重ねるのも、キスをするのも、
手を繋ぐのも、凛に触れることすら、
自分以外の誰にもして欲しくない。
こんなに独占欲が
湧き出して来ることは初めてだ。
……いや、リヴァイに出会った時も
少なからず独占欲は湧いたが、
勿論種類が違う。