第72章 ●好きなことを好きなだけ
再びワインを口に含み、既に快感の
さざ波の中にいるような表情を浮かべる
凛の口内へ流し込む。
もう嚥下することすら難しいのか、
繋がった手を強く握ったまま
ワインは口の端から零れ落ちた。
「……凛。
キスだけでそんな状態になれるのか?」
「はぁっ……、エルヴィ、ン…も、ムリ……」
赤らんでいる頬を撫でた後、
口の端を流れる液体を舐め取る。
小刻みに身体を震わす姿が艶やかで、
自分の心臓がドクンと音を立てた。
「……いいよ。少し楽にさせてあげよう。」
すぐに凛のシャツを脱がし、
下着も取り除く。
指を絡ませたままのせいで、
シャツは手首で絡んでいるが、
凛はそんなことも気にならないくらいの
昂奮の中にいるのだろう。
しなやかな熱を帯びた指先が
自分の太腿を刺激し、
それだけなのに激しい情動が巻き起こった。