第72章 ●好きなことを好きなだけ
エルヴィンは凛の温もりが残るワインを
喉元で味わい、
時間を掛けて飲み干した。
「……優しい甘さだね。
君が好みそうな味だ。」
「うん。好き。
……もっと飲ませて?」
唇を寄せてくる凛は、
俺の昂奮する行動を心得ている。
この淫猥さを纏った表情を垣間見ただけで、
下半身のものは、もう膨らみたがっていた。
こうして凛とプライベートの空間に入ると、
自分が発情期に入ったんじゃないかと
思いたくなる程
簡単に欲情し、情動に抑えが利かない。
再びワインを口に含み、
目を瞑った凛に唇を重ねる。
ゆっくりワインを口内に流し込み、
凛の喉元が小さく動くのを確認する。
手どころか、唇も離したくない。
そのまま唇を咥え込むと、
口の端から紅い汁が流れ出し、
それを啜るようにキスを続けた。