第71章 繋がる日
「……ねぇ。
これ、かなりワイン開けにくくない?」
「仕方ないだろう。
片手しか使えないんだから。
凛。ちょっと瓶を押さえていてくれ。」
手を繋いだまま、片手でワインのコルクに
スクリューを入れるエルヴィンに
言われるがまま、ワインボトルを押さえる。
「別にこの時くらい
離してもいいんじゃない?」
「君に触れていたいんだ。……嫌か?」
「嫌ではないよ!」
雨に濡れた子犬のような瞳で視線を送られ、
すかさず返答した。
まさかこれも作戦ではないよな……?
と、つい探りを入れるような
目付きになってしまうが、
どこか嬉しそうにスクリューを回している
エルヴィンを見ていると、
そんなことを考えてしまっていたことに
申し訳なささえ覚えてしまう。