第70章 心揺るがされる出会い
「凛は曾祖父に会ったことはないよね?」
「うん。
私が生まれた時にはもう亡くなってたから。」
「……もしかして、死因は戦死?」
「何で分かったの?」
相変わらず鋭い考察をしてくるモブリットに
目を丸くする。
「ピクシス司令に、
あんな言葉をかけるくらいだからね。
元の世界では戦の最中だったのかな、
って思って。」
「まさにその通りだよ。
曾祖父が軍隊に配属されたのは、
結婚して、子どもが出来て
すぐくらいだったと思う。」
「……あの話をしていたのに、
戦の為に元の世界へ戻った、
って可能性もなさそうか……」
曾祖父が帰らざるをえなかった理由を
二人で考えていても、答えは出そうにない。
完全なる手詰まりだ。
それに、一番肝心なことも
分からないままだった。