第69章 明かされていくエニグマ
「ワシじゃ力不足かも知れんが、
出来る限り凛の力にはなりたいと思っておる。
どうだ。君のことを教えてはくれんかのう?」
ピクシスの目は真剣で、
それでいて穏やかな温もりがあり、
言葉や声色からも強い真摯さが伝わった。
モブリットの手を握り返すと、
一層強く握り返され、
少しずつ決意が固まってくる。
ここで私が口を閉ざすのは
正解ではないだろう。
そう思い、口を開いた。
「……ピクシス司令。
多分、もう察しているとは思いますが、
私はこの世界の人間ではありません。」
そう言い切った時、
一番に反応したのはジャンだった。
「え、待って…、待って下さい!
俺、何か話についていけてない気が
するんですけど、」
「ごめん。取り敢えず話すから聞いて。」
ジャンの焦ったような声を聞きながら、
話を進める。
「多分、その行方不明になった男性と、
同じ世界に住んでいました。」
「……そうか。」
それだけ言ったピクシスは、
納得したように頷いた。