第69章 明かされていくエニグマ
問い掛けた途端、
ピクシスにじっと顔を見つめられ、
一瞬時が止まったように感じる。
「……凛。
君はその男に
どこか似ている気がするんじゃ。」
やっと口を開いたピクシスの瞳に見入られ、
つい視線をそらしてしまった。
「男の顔はよく覚えておらん。
だがその男も、
君のような、どこか不思議な、
ワシらにはない空気感を持っていた。」
思わず隣に座っているモブリットの膝に
手を置く。
動揺を隠そうにも、
ここまで何かを感じ取っているピクシスに、
何と返事を返せばいいのか分からず、俯いた。
その時。
モブリットにそっと手を握られ、
「凛。ピクシス司令は信用できる方だ。
そうだろう?」
と、優しい表情を向けられた。