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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第69章 明かされていくエニグマ



「その男の身分は分かっていたんですか?」


「そう。そこが問題だった。
その男は戸籍に名前が無くてな。
まぁ、当時は役所も
今よりだいぶ杜撰だったから、
それは不思議な話でもないんだが。」


「戸籍がなかった、か……」



もし私と同じように、
別の世界から来た人だったとしたら。

戸籍に名前が無いのは当たり前だ。


やっぱりあの部屋は怪しい。




「だが、実は男が居なくなるより前、
ワシはそいつと呑み屋で
一緒になったことがあったんだ。」


「え?!」


思わず素っ頓狂な声が出てしまい、
咄嗟に口を塞ぐ。



「すごい偶然じゃろう。
ワシも普段なら
呑み屋で隣に座った男のことなんぞ
覚えてはない。
だが、その男はなかなか印象的な奴だったから
覚えていたんだ。」


「ど、どんな人だったんですか?」


図らずも声が少し震える。



徐々に核心に迫っている。



それが自分の気を動転させていた。

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