第9章 お礼の方法
……なるほど。
この世界の“プレイボーイ”も
処女は面倒だと思ってるみたいだな。
「おねぇさん、それなりに
経験してそうな顔してるけど処女なの?」
明らかに不満気な彼の顔を見ながら、
恥ずかし気な様子を出そうと、
彼からパッと目を逸らした。
「……まじかよ。
絶対経験あると思ったのに……」
明らかに落胆した様子の彼は、
ベッドに座り込み、肩を落としている。
私を完全に処女だと認識したようだ。
下手糞な演技でもやってみて良かった……
助けてくれた相手を騙すのも悪い気がしたけど、
助けたからと言って
身体を差し出せというスタンスの彼も、
なかなかの悪に属するだろう。
「……他のお礼考えるから、」
「なら、口でしてよ。」
「……は?」
発言を驚嘆の一言で遮られ、
思わず気の抜けた声が出た。