第69章 明かされていくエニグマ
「結局あの事件が未解決のままのせいで、
このホテルも随分損失を出したようじゃのう。
……まぁ、手掛かりがなかった訳でもないが、」
「「手掛かりがあったんですか?!」」
思わずモブリットと声が被る。
それが面白かったようで、
ピクシスは肩を震わせて笑い出した。
「なんだ。そんなに興味があるのか?」
「……興奮してしまって申し訳ありません。
ピクシス司令の仰る通り、
あの部屋について調べていまして……」
「そうか。珍しい奴もいるもんだな。」
ピクシスはモブリットの肩を叩くなり歩き出す。
「こんな所で立ち話もなんだろう。
少し茶でも飲むか。」
ワシは酒にするが、
と楽しそうに付け加える司令の後を
追って行くと、
小さな喫茶店に辿り着いた。