第69章 明かされていくエニグマ
「それにしても、
こんな所で会えるとは運命的だな。
呑みにでも行くか?」
「お付き合いさせて
頂きたいところなんですが……
今日はちょっと先約がありまして。」
「なんだ。
男を二人も連れてデートか?」
ピクシスの視線は
モブリットとジャンを捕らえていた。
「そんな楽しいものじゃ
ないんですけどね……」
この集まりを
何と言っていいのか分からず口ごもる。
だが、
「もしかして、このホテルの
“あの部屋”に興味があるのか?」
と、目の前のホテルに視線を向けたまま
問いかけられ、
目の色が一瞬で変わったモブリットが
すぐに横へ並んだ。
「ピクシス司令、
あの部屋のことをご存じですか?」
「ああ。ワシがまだ新兵だった頃、
あの部屋で行方不明事件が起きて、
それを担当しておったからな。」
モブリットの問いに特に何かを隠す様子もなく、
ピクシスは話し始めた。