第63章 ●身体に刻まれている快感
「今度、その、
やる気のないエルヴィンと、してみたい。」
「無理だな。」
あまりの速さの即答に、思わず頬が緩む。
「目隠ししてやったら、できる?」
「それも無理だ。君の身体は俺の指が、
……いや、全身が全て記憶してしまっている。」
耳元で囁くように言われ、
身体は自然に小さく跳ねた。
「だが、目隠ししてするのは楽しそうだな。
その提案自体は採用するよ。」
「嫌な予感しかしないけど……
エルヴィンが、目隠しする側ならいいよ。」
「むしろ二人とも目隠しするのは?」
「それならもう、部屋を真っ暗にしてした方が
早いんじゃない?」
「部屋が完全な暗闇に包まれるまで、
君を抱かずにいられるか分からない。」
「……ほんと、
よくそんなセリフが思い付くよね。」
「思いつくと言うか、勝手に口が動くんだ。
自分でも言った後にクサいセリフを吐いたなぁ、
とは思ってるよ。」
エルヴィンの唇の感触が冷たく感じるのは、
自分の頬が相当熱を持っているからだろう。