第61章 ちょっとしたスリルとサービスを
エルヴィンは少し屈むと、
凛の頬にキスを落とす。
凛はそれを受け入れるように
エルヴィンの頬にキスを返し、
頬に滑らせていた唇は、
自然な様子で同じ形のものを求め合い、
唇と唇が重なった。
触れるだけのキスから、
舌を絡め合う濃厚なキスに発展するのに
時間はそれほどかからない。
二人の息遣いと、
卑猥な水音は部屋に響いていた。
……見てみたいと思っていたが、
これはマズイ。
普通にこっちまで興奮してくるじゃねぇか……
小さく反応している自分の下半身を一瞥し、
もう一度
ここを出られるタイミングを考える。
このまま二人が“こと”を始めるとしたら、
さすがにここで最後まではしないだろう。
隣のベッドルームへ向かう筈だ。
その時に脱出するしかないな……
だが、その時はいつ来る?
こいつら、
まだここでいちゃいちゃするつもりか?
見せつけてんじゃねぇぞ、この野郎!
と思いつつも、
扉の隙間がもう少し開けば……
と思ってしまう程、
二人の動向が気になった。