第61章 ちょっとしたスリルとサービスを
見難い。
見難いし、見ようとするとかなり息苦しい上に
厳しい態勢にならざるを得ない。
が、そんなことを言っている場合じゃない。
……エルヴィンが凛を抱きしめている。
しかもとても大事そうに、
大切なものを守るかのように。
完全にクロだ。
エルヴィンの好きな女は、やっぱり凛だ。
「エルヴィン、どうしたの?」
「今日は疲れた。
特にナイルの相手をしてから
どっと疲れが出たよ。」
それはこっちのセリフだ、と思いつつ、
抱き合う二人から目は反らせない。
「きっとナイルも
同じことを思ってるだろうけどね。」
凛の笑いながらの一言に深く頷く。
代弁してくれてありがとう。
やっぱりお前はいい女だ。
……が、そんなことを思っている場合ではない。
もうエルヴィンが
凛を好きであろうことは分かった。
だが、ここからどのタイミングで出るんだ……