第8章 救世主……?
路地裏を抜け、人が多く行き来する
商店街まで出たところで、足が地面に着く。
助けてくれた人は、私を抱え上げて
結構な距離を走ったにも関わらず、
息一つ切らしていなかった。
きっとかなり体力がある人なんだろう。
もしかしたら、
この人も兵士かもしれないな……
そんなことを考えながら、
顔を確認しようと視線を上げると、
茶髪の刈上げが目に留まった。
うーん……若干面長……かな……?
だけど、想像していた以上にはカッコいい。
でも容姿を見た感じ、
私よりはだいぶ年下な気がした。
「ありがとうございました。」
年下であっても、
ここは助けてもらったお礼を丁寧にするべきだ。
そう思い、深々と頭を下げる。