第8章 救世主……?
「おねぇさん、
あんまりこの辺のこと知らない人?」
「……え?」
突然の問いに顔を上げ、
男性の顔を見入る。
やっぱり結構カッコいいけど……
何かに似ている気がする。
そう思った時、
男性の顔がゆっくり近付いた。
「こんな時間帯にあんなとこフラフラしてたら
厄介な男に声掛けられるに決まってんだろ。」
至近距離で顔を見つめられながら、
彼が何に似ているのか頭の中で考えていると、
突然手を握られ、小さく身体が跳ねた。
「うん。……やっぱり可愛いな。」
「……?……ど、どうも。」
突然の褒め言葉に戸惑いつつも、
反射的にお礼を言う。