第8章 救世主……?
……が、走り出してすぐ、
路地に入って来た人と激しく衝突し、
尻餅をつく。
「……っ、痛………」
久し振りに尻餅なんてついたからか、
痛さですぐには立ち上がれそうにない。
すると、ぶつかった相手に腕を支えられ、
無理矢理立ち上がらされた。
「……なぁ。これは助けて欲しい状況か?」
「はい!」
突然の救世主の登場に気持ちが高揚し、
即答して顔を上げると、
その人は私を軽々と抱え上げ、
路地裏から走り出す。
3人の男性の叫び声のようなものが聞こえるが、
私を抱え上げた男性は気にする様子もなく
走るスピードを上げ、路地裏を抜けた。