第59章 もしもその時が来たとしたら
「ジャン。前言撤回してもいいか?」
「何ですか?」
「次の凛と君の休暇日に
俺も休みを取るようにするから、
俺たちをその場所に連れて行って欲しい。」
「「え?」」
ジャンと乱れた音声がハモる。
「興味があるんだ。いいか?」
「いや、いいですけど……」
「それなら頼むよ。
また街の中心部辺りで待ち合わせよう。」
モブリットは手早くジャンと
待ち合わせの段取りを決め、
「それじゃ、また来週に。」
そう言って颯爽と私の腕を引き、
ポカンと口の空いたままのジャンを取り残して
歩き出した。