第8章 救世主……?
「……そんな顔をするな。」
穏やかな声が頭上から聞こえたと同時に、
大きな手が私の肩を摩る。
いつも暖かい手なのに、
今日はあまり温もりを感じないのは、
血気に任せて話したせいで、
自分の体温が上昇したからだろう。
「……何か他に私が力になれることはないの?」
「ありがとう。その気持ちだけで十分だ。」
エルヴィンがそう言った時、
部屋のドアが開いた。
「エルヴィン。そろそろ行くぞ。」
「ああ。」
部屋に入って来たリヴァイは
凛を見るなり小さくため息を漏らす。
「またふて腐れた顔しやがって……」
「……だって今日も留守番なんだもん。」
リヴァイの呆れたような声に、
不満気な声で言い返した。