第8章 救世主……?
「……エルヴィン。私ももっと役に立ちたい。」
「君は十分俺たちの力になってる。」
「でも、」
「凛。」
強い語感で名前を呼ばれ、再び言葉を止める。
「……君の気持ちは痛いほど伝わってるよ。
だが、俺やリヴァイの役割を、
君が同じように担う必要はない。」
エルヴィンに視線を向けると、
優しい表情を浮かべるエルヴィンが
目に留まった。
「寧ろ凛は、
何もしてくれなくてもいいくらいなんだ。
君が俺の側に居てくれるだけで、
俺に大きな力を与えてくれているんだからな。」
エルヴィンにここまで言わせておいて、
食い付き続ける自信はない……
それでも、
もっと自分に出来ることがあるはず
という気持ちは、湧き上がる一方だった。