第50章 大好きだから、
「でも、きっと急に凛が部屋を出て、
心配してるよ。
俺も明日すごい責められるだろうし。
もう戻った方がいい。」
「それ、モブリットの本音じゃないね。」
思わず唾を飲みそうになり、
凛の髪を撫でる手が自然に止まる。
……何故凛はいつも、こうも敏感なんだ。
「もういいよ、そういうの。
今苦しいのはモブリットでしょ?」
「……いや、俺が苦しくなるのも
おかしな話だろう。
実際、彼が亡くなったことに対して、
俺が責任を感じるのだって」
「いいから。大丈夫。」
また胸に温もりが戻り、
もう留めることの出来なくなった感情を
ぶつけるかのように
凛を強く抱きしめた。