第50章 大好きだから、
「……ありがとう。
今凛がここに来てくれたことだけで、
十分だよ。」
相変わらず柔らかく、暖かい身体を
全身で感じる様に抱きしめる。
これだけで本当に、
かなりの安心感を覚える。
……実際本当に驚いていた。
この時間帯に、まさか凛が
自分の部屋を訪れるなんて
全く思ってもみなかった。
凛は今晩、団長か兵長の部屋で
一晩明かすのだろうと
当たり前のように思っていた。
「もしかして、団長か兵長の部屋で
調査報告書読んで、
いてもたってもいられなくなった?」
「ご名答。」
それだけ答えた凛に、
一段と強く抱きしめられる。
隙間なく密着した身体はとても熱く、
きっとここまで急いで来たんだろうと
容易に察しがついた。