第48章 火照りの原因
「……エルヴィン、何ニヤついてるの?」
「……ニヤついていたか?」
「うん、かなりね。」
少し呼吸は落ち着いたんだろう。
そしてさっきまで首筋に奔っていた痛みは
静まりかけていた。
「エルヴィン、ごめん……
これ。多分ちょっと痕残るかも。」
申し訳なさそうな声と指先で、
首の爪痕を摩られる。
触られた部分は、小さな痛みを感じた。
「いいよ。
このくらいならすぐ治るだろう。」
それに、
そう付け加え、凛の耳元に口を寄せる。
「この痕を見れば、どんな時でも
君を抱いたことを思い出せるのは嬉しい。」
そう囁いた途端、
凛の耳元はすぐに赤みを帯びた。