第44章 優先順位
「……凛。どうした?」
「いや、どうした、じゃないでしょ。
リヴァイこそそれ、どうしたの?」
部屋から顔を覗かすリヴァイを見て、
思わず声を上げる。
「別にどうもしない。
ただ固定されてるだけだ。
大したことはない。」
「大したことない割には
大そうな包帯巻かれて、
丁寧に固定されてるね。」
リヴァイの右腕は
ギプスのようなもので固定され、
肩から下げられた包帯で、吊られた状態だった。
「……医者やエルヴィンが心配性なだけだ。
実際はここまでする必要はない。」
ここでリヴァイと話していても
埒が明かない。
なかなか部屋に
入れようとしてくれないリヴァイを
部屋に押し込み、
続いて自分も部屋に入り込んだ。