第44章 優先順位
「今はリヴァイの方が平気じゃない。
俺より先に、
リヴァイの部屋に行ってくれ。」
「……それは団長命令?」
寸刻の間の後、
少し頬を緩めたエルヴィンはそっと頷くと、
すぐ、表情が引き締まった。
「団長命令だ。
今すぐ、リヴァイの元へ。」
「……分かりました。」
突然団長の声色を窺わせるエルヴィンを見つめる。
野獣を彷彿とさせるような
鋭く光っていた瞳は、
もういつもの穏やかな視線に戻っていて、
つい先程までの関わりを
忘れそうになるくらいだ。
このまま離れるのはどうなのか、
そう考えるより前に、
エルヴィンにそっと肩を押され、
指示されるままリヴァイの部屋に向かった。