第42章 ●意外と意外の組み合わせ
「……凛は?」
「ん?」
「凛はスッキリした?」
「……え、うん。」
精神的にはスッキリしたよ、
と、心の中で呟いたと同時に
首筋に、モブリットのものとは思えない、
淫猥な指先が這い、
思わず身体が小さく揺れた。
「そんな訳ないだろ。」
意外すぎて、
声を出すことを忘れる。
いや、勿論モブリットが
童貞だとは思ってないし、
それなりの女性関係だって
もったことはあると思うけど、
この手付きは、
モブリットのものとは思えない。
首筋を這う指先は、
自然な様子でシャツの中に入り込み、
簡単にブラのホックを外した。
「ま、待った!
え、な、どうするの?」
「凛がしてくれたように、
俺もとりあえず凛をスッキリさせるよ。」
上擦った私の声とは対比的な、
モブリットのいつもの穏やかな声が
耳の奥で反響する。
「……それとも、抵抗してみる?」
モブリットの上目遣いが、
こんなに自分の胸に刺さるとは
知る由もなかった。
抵抗するべきなんだろうとは思うけど、
滑らかに動く指先を
もっと感じたいと思ってしまうのも、
自然なことのように思ってしまう。