第41章 同じ気持ちのソフレ
「きっと不安だろうと思って。」
それだけしか言っていないが、
少し、凛の肩が揺れる。
「……俺も今回初めて、
兵団を調査に送る側になったけど、
やっぱり怖くなるね。」
凛の反応は確認しないままに、
話を続ける。
「このまま誰も帰って来なかったら
どうしよう、なんて
考えてもどうしようもないことが頭を過るし、
ここで待つ側も結構キツイことが分かったよ。」
凛が自分の胸に顔を埋めてくる。
真面目に話をしているのに、
つい、この動作を可愛いと思って
もっと強く抱きしめたくなってしまう。
「……自分も壁外調査に出る側だから、
毎回の調査の厳しさは分かる。
だから凛に軽々しく、
大丈夫、みんな帰って来る、
なんて言葉は掛けられないけど、」
こんなことを言ってもいいのか、
そう思っていても、
口はスピードを落とさず喋ることを選んだ。
「……今は俺がいるから。
頼ってくれて大丈夫。」