第41章 同じ気持ちのソフレ
本当に自然に、
いつの間にか自分の腰に回されていた手に、
ぎゅっと力が入るのが伝わる。
熱いくらいの体温が気持ち良くて、
もっと近付きたくなって、
こっちも負けずと強く抱き返した。
「……モブリット、
何でもお見通し過ぎてびっくりする。
もう私が言うことなんて何もないよ。」
「凛も同じこと考えてた?」
「驚くくらい一緒。」
やはり泣いていたのだろうか。
胸の中で顔をごしごし擦られ、
少し身体が揺れる。
「……もう今日は絶対眠れないだろうから、
難しい本でも読んで
一晩明かそうと思ってた。」
「何で難しい本?」
「こんな時じゃなきゃ、
読む気なんて起きないもん。」
確かに、と思ってすぐ
小さく吹き出してしまう。
凛らしい考えだ。