第40章 好きの種類
「凛。本当に大丈夫か?」
ナイルと別れ、基地に向かう最中。
モブリットは心配そうに
凛の顔を覗き込む。
「……それ、どっちの意味?」
「どっちもだな。」
少し頬を赤く染めた凛の問いに、
モブリットは小さく吹き出した。
「凛は相当酒が強そうだったけど、
さすがに今回は飲みすぎだろう。」
モブリットは、ほろ酔い、とは言い難い足取りで
帰って行った師団長を思い出す。
それに付き合って飲んでいた凛も、
相当な量飲んでいる筈だ。
「……そうだね。
久しぶりだったし、結構飲んだし。
でもモブリットもかなり飲んでたのに。
強いなんて意外。」
「そうかな?」
「そうだよ。」
ふふ、と笑みを溢し、顔を綻ばす凛は、
それだけでも少し艶やかな感じがして、
この魅惑的にも思える表情を見た面倒な輩に
絡まれないよう、少し凛の腕を引き、
自分の方に近付けた。