第40章 好きの種類
「言い返さないってことは、
断れないって事?」
「……それとこれとは話が別だよ。
そりゃ、俺は凛の誘いなら断れない。」
もう正直に言ってしまった方が楽だ。
凛の反応を窺うが、
時間が止まってしまっている。
……やはり言い方がまずかったか。
「……モブリット、
その言い方は誤解を生むよ。」
「……うん。俺も思った。」
思わず同意すると、
凛は小さく吹き出した。
「なんか気が抜けた……
ごめん。
モブリットの言う通りなんだけどね。」
笑い出した凛は、
こっちに向かって頭を下げる。
「いや、俺もキツく言い過ぎた。
確かにジャンの必死さも伝わってたし、
気持ちを無下にできない気持ちも
分かるよ。」
あの時のジャンの表情は、
完全に恋に落ちている顔だった。
視界の隅でチラッと確認しただけでも、
きっとそうだと思った。