第40章 好きの種類
「あの場ではそうかも知れないけど、
凛はジャンの誘いを受けただろう?
その時にまたそういう状況になったら
どうするんだよ。」
「……モブリット、
ほんとよく見てるよね。」
「凛は本当に警戒心が薄すぎる。
あそこでジャンの誘いを受けるのは軽率だよ。」
「じゃあもしモブリットが私の立場だったら、
あの状況でジャンの誘い、断れた?」
凛の問いに、
モブリットは一瞬言葉を止めた。
「……いや、俺は男だから」
「うーん、じゃぁ、ジャンじゃなく、
私がジャンみたいな感じで
ちょっと頬を赤らめながらも、
デートに誘ってきて。
それでももしかしたら次は自分が
何か墓穴を掘る可能性があるからって理由で、
決死の想いの誘いを断れる?」
凛の誘いを断れる筈なんてないだろう。
しかも頬を赤らめて
誘ってくる時点で快諾決定事項だ。
これとそれじゃ、話が違いすぎる。
……と、言ってしまいたいが、
それじゃ自分も凛を好きだと
言っているようなもんだ。