第39章 再会の意味
「悪かったよ……」
「いや、別にジャンがそう思ってるとは
思ってないからいいよ。」
そう言って笑った凛は、
いつもの穏やかな表情に戻っていた。
その顔を見られただけでも、
安心感が湧き出してくる。
「まぁジャンのことだから、
やられっぱなしが気に食わなくて
鎌かけてやり返してやろうと思ったけど、
返り討ちにされた、ってところだろうね。」
正にその通りすぎてぐうの音も出ない。
「私も大人げなく酷い反攻に出てごめんね。」
「……いや、そもそも俺が
話題に出した話が悪かったよ。
ごめん。」
こんなに素直に謝ったのは
いつ振りだろう。
それでも従順に謝るという誠意を
見せたくなる位には、
凛の機嫌を損ねさせたことに対する
反省はある。
凛は初めから分かってて、
あんな行動に出たんだろうが、
それを予知できなかった自分が悔しい。
初対面で“あんな目”にあってるくせに、
全然学習出来ていない。
思わずため息を漏らした。